■2001年1月20・21日
■新横浜・スペースオルタ

■作・演出  小澤 公
■ 脚色   藤長誠也
■出演
岩田直子/小澤 公/尾関良介/近藤夏紀
佐々木朋子/藤長誠也/松岡千香
■音響  飯田正和
■照明  小笠原準二/佐藤 博
■美術  五木見奈子
■広報  島崎 剛
■制作  高良玉代/岡部朝嗣/松本真弓
     菊池沙知/鮎沢武士/ほんだひろこ
     浅野智子










 ごあいさつ

本日はD.M.C.第5回公演にご来場いただきありがとうございます。D.M.C.も4年目に突入し、公演も5回目を迎えることができました。これも皆様方のご声援のお陰だと思っています。この場を借りて御礼申し上げます。

さて4年目を迎え、D.M.C.もだいぶ様変わりしました。学生だったメンバーの多くは社会人になり、メンバー自体も入れ替わりがあって、現在ではサポートメンバーを含め15名を越す大所帯となっています。4年前、3人から始めたこのプロジェクトがここまで大きくなるとは正直なところ想像してはいませんでした。

そして、その4年の間に僕の中でも変革が起きていました。
ここ1年ぐらいの間、D.M.C.をおやすみさせていただいて仕事に専念していました。まぁ、それは仕事の上での試験があったこともあってのことなのですが、それ以上に「社会人を続けながら芝居をやり続けることができるのか?」といった漠然とした疑問が僕の中で生まれたのです。
これはある意味、当然のことなのかもしれません。これまで仕事を理由に芝居を諦めていった方も多くいるはずです。芝居よりも大事なことがあったのか? そうではないと思います。ただ、体を休めるだけの時間を作るには、休みを割いて稽古する酢倍を諦めるより他なかったのかもしれません。僕自身、今の仕事と芝居を両立することが難しいのではないか、と思っていたこともあります。
正直なところ、体はかなりきついです。また、土日休みの職場ではないので、土日中心の稽古とはいえ参加することが難しくなっています。今回の稽古でも、かなりの稽古を休まざるを得ませんでした。そんな中、どうして僕が舞台に戻ってきたのか?

僕が舞台を始めたキッカケは、開場前の舞台に立ったことです。「え?」と思われるかもしれませんが、上演を前に慌ただしい舞台で一人照明の点いた舞台に立ったとき、何だか不思議な感覚に襲われました。「この感じをもっと味わいたい」それが舞台を始めたキッカケです。その感覚は、他に例えられるものではなく、ただ開場前の舞台が持つ特有の雰囲気なのです。これを感じるのには舞台をやるしかないんですよね。1年ほどブランクがありましたが、その間に何度か舞台を見に行って、やっぱり自分は舞台を見るのではなく、あの雰囲気をこの体で感じていたい、そう思ったのです。
そして今回、舞台に戻ってきました。別に、自分をかっこよく言っているワケじゃなくて、ホントに戻ってきたんだから。しかも、台本まで書かせていただいて、これ以上の幸せはないです。公演を数日後に控えて、自分の書いた戯曲が形になったものを見て、やっぱりこれだけは捨てられないな、と改めて実感した次第です。やっぱり、舞台は生で感じなきゃ。



今回のお芝居は、これまで4回の公演で皆様がお持ちになったD.M.C.のイメージを「いい」具合に崩してみたいなぁ、と思ったのが書きはじめのきっかけです。ですので、ごらんになって「あれ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。いろいろと変わってきたD.M.C.、舞台もそれにつれて変わっていくはず。今回のお芝居はその布石になればいいと思っています。ここから第6回、第7回、・・・とD.M.C.は進んでいきたいと思います。

本日はご来場いただきましてありがとうございます。ごゆっくりお楽しみくださいませ。


作・演出
小澤 公
 
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